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自宅のパソコンでのインターネット利用者が増加した背景の1つとして、一定の料金で24時間使い放題の高速回線(ADSL,光ファイバー、集合住宅に引かれた高速専用線、ケーブルテレビなど)、すなわちブロードバンド回線が急速に普及したことがあげられる。 2003年3月時点で、自宅のパソコンでインターネットを利用している15〜59歳の層の49.0%が、ブロードバンド回線を利用している。
これは、1年半前の15.7%に比べ、約3倍である。 利用回線として、ADSLが39.9%となり、トップの座を獲得している。

また、1.3%とウェイトは小さいが、光ファイバー利用者も登場しつつある。 この一方で、加入電話回線の利用は急速に減少しており、ISDN回線も減少傾向にある。
2.3インターネット利用時間の増加自宅のパソコンからインターネットを利用する人の比率は、15〜59歳の層で見ると1年間で1.4ポイント伸び、37.3%となった。 インターネット利用時間は、以前は月間13時間前後で安定していたが、この1年間で大きく伸び、17.7時間にまで増加した。
この背景として、前述のブロードバンド回線の普及があげられる。 ブロードバンド利用者の利用時間は23.3時間/月で、ブロードバンド利用意向のある未利用者の11.0時間/月やブロードバンド利用意向のない未利用者の7.7時間/月を大きく上回る。
ブロードバンド回線は、定額制や常時接続といった特徴をもつことから、利用者はコストを気にせず、より長時間インターネットにアクセスするようになったと考えられる。 携帯電話おしよびブロードバンドによるインターネット利用者の重なり「ユビキタス比率」の急増モバイル(携帯電話)の普及拡大やブロードバンド利用の進展により、生活者にとってさまざまな情報通信ツール(メディア)を使いたいときに使える環境が整備されつつある。
すなわち、企業や官公庁だけでなく、生活面においても「ユビキタス・ネットワーク社会」が醸成されつつあるといえよう。 N研究所では、「ユビキタス・ネットワーク社会」の進展度合いを表す1つの指標として、「ユビキタス比率」を定義づけた。

これは、携帯電話と自宅のブロードバンド回線の両方で、インターネットを利用する人の割合である。 ユビキタス比率は、2003年3月時点で11.8%(60代を含めると10.2%)となっており、この1年間で約2倍に増加している。
ユビキタス生活者の特徴携帯電話と自宅のブロードバンド回線の両方で、インターネットを利用する「ユビキタス生活者」の属性については、以下のような特徴が見られる。 まず、性別では男性が58.8%(生活者全体では男性が50.1%)と多い。
年代では30代以下が63.8%(生活者全体では30代以下が45.4%)と若い層が多い。 職業を見ると、学生・生徒が16.0%(同10.2%)と特に多い。
平均個人年収は357万円(同305万円)と高く、平均世帯年収も782万円(同640万円)と高い。 「ユビキタス生活者」は、IT活用が進んでいるのも特徴的である。
一例をあげると、オンラインショッピングの利用経験者は59.9%であり、生活者全体の18.8%に比べて3倍以上である。 また、パソコンのインターネットを利用したバンキングサービスの利用経験者についても、生活者全体の3.2%に比べて13.6%と高い。
その他、eラーニングの認知度やIP電話の利用率についても、顕著な差が見られる。 今後もブロードバンド回線のいっそうの普及や情報リテラシーの向上に伴って、ますますユビキタス生活者が増加していく。
ユビキタス・ネットワークと産業変革(放送と通信の融合)1990年代の半ば以降、コンピュータの性能を上回るスピードで進展している、ブロードバンド、モバイル通信、インターネット、デジタル化といった情報通信および放送技術の革新は、世界的に融合現象(コンバージェンス)として注目されてきている。 つまり、これらの技術の進展は、伝送路の融合や端末の融合という現象を通じて、通信サービスと放送サービスの融合や通信産業と放送産業の融合を引き起こしつつある。
ユビキタス・ネットワーク社会においては、情報通信産業はもとより、あらゆる産業で融合が起き、そしてこれらの融合が、さらに新しい産業を生み出すエネルギーとなるのである。 <技術進化と融合現象>通信と放送の融合問題は、かなり以前から議論されてきた。
通信は、電気通信事業法第2条1項で「有線、無線その他の電磁的方式により、符号、音響又は影像を送り、伝え、又は受けること」と定義されている。 もともと通信は、有線技術を利用した3.4kHz帯域の伝送容量の小さい音声通信から出発しており、電話を代表とする1対1の双方向コミュニケーション手段として発展してきた。
その基本的な考えは、同法第4条で規定されているとおり、私信としての「秘密の保護」を前提としてきた。 また、同法第2条4項では、「……有線テレビジヨン放送……を除く」と規定されており、通信は放送を対象外としている。

ブロードバンド、モバイル通信、インターネットといったユビキタス・ネットワーク技術は、放送と通信の融合を加速している。 融合現象により、情報伝送路とコンテンツを自由に組み合わせたサービスの提供が可能になってきたため、今まで放送と通信とに区分されていた法制度の見直しも進められている。
放送と通信の融合は、情報通信産業を進展させるだけでなく、新しい一方、放送は放送法の第2条1項で、「公衆によって直接受信されることを目的とする無線通信の送信」と定義されている。 映像を伝送するテレビジョン放送を代表として、無線技術を利用した6MHzの広帯域の一対、(複数)のマスコミュニケーション手段として発展してきた。
放送は私信とは異なり、多数の公衆への情報伝達手段であり、その社会的影響力の大きさから公共性が問われてきた。 このように、過去、通信と放送は別々のものとして規定および規制されてきた。
〈融合への推進力>しかしながら、近年この2つの分野のボーダレス化が、いくつかの技術の進展に伴い、加速されてきた。 第1に、広帯域かつ大容量の情報通信ネットワーク技術の進展である。
先述のとおりe-Japan構想に盛り込まれた計画が順調に進めば、2008年には超高速アクセスが可能なインターネットが、整備されることになる。 アクセス回線部分については、FTTHによる光ファイバー網のほか、既存のメタル回線を高速通信に利用するDSL(デジタル加入者線)や、CATV(ケーブルテレビ)回線を高速インターネットに利用するCATVネットワークなど、多様なブロードバンドが整備される。
バックボーン(幹線)部分には、波長の異なる複数の光信号を同時に利用し、光ファイバーを多重利用できるWDM(波長分割多重方式)技術が推進され、情報伝送量を飛躍的に増大させることが容易になる。 これらにより通信コストも大幅に低減され、伝送路の広帯域化が進む。
つまり、このような情報通信ネットワークの広帯域化、大容量化によって、映像、音声、テキストなど、異なる形式の大量データの一括送信が可能になる。 第2に、モバイル通信技術の進展である。

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